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どんどん成績が上がる!最大のコツは「テスト」にあった!?
本記事では、生徒にテストを前向きに受けてほしい・テストの有効的な活用法を知りたいと思っている先生方に向けて「テストの効果・重要性」をご紹介いたします。
突然ですが学生の頃テストは好きでしたか?
大好き!と答える人はなかなかいないと思います。
なぜなら自分なりに一生懸命勉強したつもりでも「点数」や「順位」として目に見える形で結果が出てしまうからです。
しかし、テストは「受けるだけ」で学力が上がるということが研究によって証明されています。
テストは効率的に行うと、全体の勉強時間を減らす一方、高得点を取ることが出来ます。
いったいどういうことなのでしょうか?
「読む」だけではほとんど記憶に残らない
皆さんが学生だった頃、テスト直前まで教科書を読んでいる人はいませんでしたか?
また、ある事柄を直前に覚えたとしてもそれが試験中に思い出すことが出来なかったという経験をしたことがある人はいるのではないでしょうか?
実はテスト直前に読む(学習する)だけでは学習したことがほぼ記憶に残りません。
小テストによる復習を繰り返すことにより、蓄えられた記憶が「思い出しやすい」ようになっていると考えられています。
ここでアメリカで行われたテストに関する実験を紹介します。
この実験では外国語の単語(スワヒリ語)の意味を覚える「学習」行為とテストを繰り返し行いました。
その際に直前のテストで不正解だった単語は再学習・再テストの方法を変えて、実験参加者を以下の画像のように4グループに分けました。
結果、直前のテストで不正解だった単語のみを学習し、全単語をテストした【グループ2】は勉強時間がグループ1より短いにもかかわらず最終テストで高得点を取りました。
このことから読むだけの復習より、テストによる復習に時間を使う方が得点は向上することが分かります。
実は小テストを受けるだけで本番のテストの点数が上がる効果のことをテスト効果と呼びます。
また古代ギリシアの哲学者・アリストテレスも「繰り返し思い出すことにより記憶力が高まるのだ」という言葉を残しています。
思い出すということはテストをするということです。
また、テスト形式の勉強法(=テストを繰り返し行うこと)は覚えた事 柄を脳内から取り出しやすくなるということが研究によって証明されています。
テストはどのように勉強を行うかで成績が変わる
上記の通りテストが勉強するうえで効率のいい勉強方法であることがわかったと思います。
しかし、テストにも様々な勉強方法が沢山あります。
どのようにテスト勉強するのが効率が良いのでしょうか?
ここで2つ目の実験を紹介したいと思います。
ここでは「再学習」と「再テスト」どちらが効率的な学習が出来るかという実験が行われました。
実験は先ほどの4つのグループで行われました。
「再学習」とは、復習のために単語とその訳語をもう一度見直す(読む)こと、「再テスト」は単語だけを見て、その訳語を自分で考えるということを指しています。
結果、【グループ1】は勉強の時間が長いため、得点が高くなりました。
しかし、全ての単語を復習しているのでこの結果は当たり前のことです。
次に【グループ2】は間違えた問題しか復習していないので勉強時間が短いものの、得点は高くなりました。
そして、【グループ3】は【グループ2】と勉強は同じものの、間違えた問題のみ再テストをしたため必然的に点数は低くなりました。
この結果から再学習より再テストをしたほうが点数が上がることがわかりました。
小テストの効率的な利用法を教えます
テスト勉強する中でもテストをするのが重要なことであるということは上記で分かったかと思 います。
ではテストの受験効果はどれだけ続くのでしょうか?
ここで再度実験が行われました。単語とその意味を覚える課題を行い、その後1回目の試験を行います。
また試験終了後に復習・再試験を行います。
1回目の試験から再試験までの期間は幅広く、参加者それぞれで異なります。(5分‐42日)
復習後、小テストありと小テストなしに分けられます。
小テストありの場合でも実際に解答を書く必要はありません。(解答は思い出すだけでも可能)
結果として、「小テストあり」の方が得点は高くなりました。
この小テストで紙に書き起こす筆記ではなく、思い出すだけでも結果が出るということが証明されました。
テストはなぜ必要なのか
今までテストがいかに効果的な学習方法であるか説明をしてきましたが、なぜテストは必要なのでしょうか。
ずばり、自分の行動の良し悪しを客観的にとらえ、改善し、より上を目指すためにあります。
わかりやすくするために、先生・生徒それぞれの立場から考えていきましょう。
まず、先生側のメリットです。
テストがあることにより正誤・誤答を見れば生徒がどの単元で躓いたのかが分かります。
また先生自身が今までの指導法を見つめ直すきっかけとして用いることが出来ます。
次に生徒側のメリットです。
生徒はテストを受けたあと、自分の実力が良くも悪くも数字として可視化されてしまいます。
このことにより生徒は目標(志望校)に向けて、今自分になにが足りないのかを把握することができます。
なので「なぜテストを受けなければならないの?」と質問してきた生徒に対しては「テストを受けることで自分にいま何が足りていないのかわかるんだよ」などの旨を伝えましょう。
おわりに
以上のことから、テストは最も効果的な学習方法であるということがわかりました。
テストは今の自分の実力が可視化されるということで敬遠されがちですが、受けるだけで学力が上がると証明されています。
しかし、テスト作成に関して講師側の負担が増えるのでは?と思われるかもしれません。
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もしテスト嫌いの生徒にお困りの先生がいましたら、「テストは受けるだけで成績が良くなるんだよ」などといった上記のことを伝えてみるのはいかがでしょうか?
今回の記事が読者の皆様のお役に立てると幸いです。
是非、参考にしてみてください!