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「成績は向上しているのに、なぜか学年の変わり目のタイミングで退塾が出てしまう」
「毎年、学年末テストが終わった直後に、退塾の連絡がくることが多い…」
2月から3月にかけての学年の変わり目は、塾経営者にとって一年で最も神経を使う時期です。
しかし、多くの退塾は1月~2月中の適切なコミュニケーションによって未然に防ぐことが可能です。
この記事では、個人塾ならではのきめ細やかな指導を活かし、コストや準備時間をかけずに明日から実践できる、進級のタイミングでの退塾を防ぎ継続率をアップさせる5つの具体策をご紹介します。
結論から言うと、この時期は保護者と生徒が、「本当に今の塾のままでいいのかな?」と、真っさらな状態で考え直すタイミングだからです。
普段は当たり前のように通ってくれていても、この時期だけは別です。来年も続けるか、それとも他の塾に変えるかを冷静に天秤にかけています。
具体的には、親子の頭の中に、次の3つの迷いが浮かんでいるのです。
特に、中2→中3という節目のタイミングで顕著です。
これまで個人塾の面倒見の良さを評価していた保護者も、受験が近づくと指導体制への不安を感じ始めます。
<保護者の心理>
「先生の人柄は信頼しているが、厳しい受験戦争を勝ち抜くノウハウはあるのだろうか?」
「大手塾の方が、最新の入試データや模試が充実しているのではないか?」
この不安を放置していると、大手塾の合格実績や新年度生募集の広告を目にした際に、心が揺らいでしまいます。
非常に現実的な問題として、費用の側面があります。
3月は年会費、新学年のテキスト代、春期講習費などが重なり、ご家庭の負担額が増加します。
<保護者の心理>
「来月の請求額を見て驚いた。家計への負担が大きい…」
「この金額を払うだけの成果は、本当にあるだろうか?」
この支払いのタイミングまでに、金額以上の価値や「やはりこの先生にお任せしたい」という納得感を提供できていなければ、退塾のきっかけとなってしまいます。
春は、生徒自身が「今の自分を変えたい」と強く願う季節です。
現在の塾に大きな不満がなくとも、長期間同じ環境にいれば慣れやマンネリが生じます。
<生徒の心理>
「先生は良い人だけれど、今のままでは緊張感が足りない気がする」
「塾を変えれば、心機一転して成績が上がるのではないか」
このように、「環境を変えることで成績を上げたい」という前向きな動機が、結果として転塾につながってしまいます。
上記の懸念を払拭し、新学年も安心して任せてもらうために、学年の変わり目だからこそ行うべき退塾防止の具体策を5つご紹介します。
漠然と「来年も頑張りましょう」と言うだけでは、進級・進学への不安は消えません。
A4用紙への手書きメモでも構いませんので、「新学年になって苦戦しそうなところ・つまずきポイント」と「塾でのサポート計画」を明確に伝えてください。
<伝えるべき内容>
学習のつまずき: 「中2数学はGW明けの『連立方程式』で苦戦する子が急増します」
生活の変化: 「部活が忙しくなり、1学期は勉強時間が確保しにくくなります」
塾での対策: 「だからこそ、うちは3月中に予習を終わらせて、余裕を持たせます」
「この先生についていけば、来年も大丈夫だ」と安心してもらうのが狙いです。
そうすれば、「今辞めたら、せっかくの計画から外れてしまう(もったいない)」と感じて、自然と継続を選んでくれます。
学年の変わり目における費用面での負担を和らげるには、過去1年間の成果を再認識してもらう必要があります。
日常の連絡や送迎時の会話で、成績やテストの点数だけでなく「1年間での成長したポイント」を伝えてください。
<伝えるべき内容>
「入塾した頃に比べて、自分から質問に来る回数が2倍に増えました」
「この1年で、宿題を忘れることが一度もなくなりました。素晴らしい継続力です」
「難しい問題でも、すぐに諦めずに考える粘り強さがつきました」
このように、成績表には表れない成長を伝えてあげることで、保護者は「先生はうちの子を本当によく見てくれている」と感動します。
その信頼があれば、「来年もこの先生にお任せしよう」と、気持ちよく継続を決めてもらえます。
この時期の面談で「継続しますか?」と聞くのは避けましょう。
続けて通ってもらうことは前提として、新学年の生活変化に対する保護者の不安を聞き出すことに集中してください。
<推奨する質問>
「4月から部活や委員会が始まりますが、体力面や生活リズムで心配なことはありませんか?」
「受験学年になりますが、ご家庭での学習環境や志望校について、今一番気になっていることは何ですか?」
保護者が抱えている不安を先に全部話してもらい、「それならうちで解決できますよ」と伝えてあげてください。
そうすれば、「今の塾のままで大丈夫なんだ」と安心し、「他の塾に変えようかな」という迷いが自然と消えてなくなります。
塾から保護者への電話と言えば、遅刻・宿題忘れ・講習の勧誘など、耳の痛い話や営業ばかりだと思われていませんか?
そのイメージを逆手に取り、褒めるためだけのために、一本電話を入れてください。
かけるタイミングは、生徒が帰宅した後、あるいは良いことがあったその日の夜がおすすめです。
例えば以下のように簡単な内容で、時間も1分程度で構いません。
「お母さん、夜分にすみません。実は今日、〇〇くんが数学の問題をすごく粘って解いていたんです。その姿があまりに頼もしかったので、ついお伝えしたくなって電話しちゃいました。それだけです!」
わざわざ電話してまで伝えてくれたというだけで、保護者としては「うちの子は大切にされているなあ」と嬉しくなります。その感動は、どんな立派な資料よりも心に響きます。
このように保護者との信頼関係ができれば、簡単に「辞めます」とは言われなくなります。
生徒の「環境を変えたい」というリセット願望を満たすために、2月または3月になったタイミングで、塾の中では今日から新学年だという区切りを演出します。
<すぐにできる演出例>
座席のレイアウト変更: 「今日から中3仕様の配置にする。ここは受験生の席だ」と宣言する。
新テキストの授与式: 事務的に配るのではなく、「この一冊がボロボロになるまでやれば合格できる」と目を見て渡し、名前を書かせる。
決意表明: ノートの1ページ目に、新学年の目標や志望校を大きく書かせる。
ちょっとした変化を作るだけで、生徒は「今日から新しいスタートだ!」と気持ちを切り替えてくれます。
「ここでなら心機一転、頑張れそう」と思ってもらえれば、「飽きたから他の塾に行こうかな」という不安や迷いを防ぐことができます。
学年の変わり目だからこそ行うべき退塾防止の具体策を5つご紹介しました。
未来を見せる「ロードマップ」
過去を認める「成長記録」
不安を吐き出させる「ヒアリング」
不意打ちの「ポジティブ電話」
気持ちを切り替える「進級演出」
これらに共通しているのは、お金や設備といったハード面の話ではなく、生徒・保護者と心を通わせるというソフト面のアプローチであるということです。
保護者が最終的に「この塾に預けたい」と決める理由は、合格実績の数字でも、立派なパンフレットでもありません。
「うちの子のことを、誰よりも真剣に考えてくれている」という、塾長であるあなたへの信頼です。
学年の変わり目の時期は確かに神経を使う時期ですが、この時期にかけた手間と愛情は、必ず「来年も先生にお願いします」という言葉になって返ってきます。
まずは明日、生徒に「来年はここが勝負だぞ!」と声をかけたり、保護者に「最近頑張ってますよ」と連絡したりすることから始めてみませんか?
そのような一つ一つのコミュニケーションの積み重ねこそが、あなたの塾を強くする、最強の退塾防止策となるはずで す。