Q&Aで解説!保護者のタブレット学習への不安解消トーク
タブレット学習の導入を考えている、もしくは導入したての先生のみなさん!
入塾説明などの際に、
「保護者のタブレット学習への不安を取り除くのが難しそう」
と感じていませんか?
実際に弊社が運営する学習塾でも、保護者からそうした不安の声をいただくことがあります。
タブレット学習で勉強の効果が上がることは説明したけれど、
はじめは保護者に実感を持ってもらいにくいもの。
どうにか保護者の理解を得て、タブレット学習を最大限活用したい。
そんな先生にご紹介するのは、GIGAスクール構想の例を説明に用いる方法です!
今回は「よくある保護者の疑問への回答集」という形で、ご説明します。
タブレット学習の導入を考えている・導入したての先生だけでなく、今一度GIGAスクール構想について復習したい先生もぜひご覧ください!
もくじ
よくある保護者の疑問への回答集
Q.1 タブレット学習が信頼できるものなのか不安...
Q.2 タブレット学習はどのぐらい導入が進んでいる?
Q.3 タブレット学習でどんな良い効果がある?
Q.4 学校ではどのようにタブレット学習が取り入れられている?
Q.5 タブレット学習の短所は?
Q.6 塾ではどのようなタブレット学習ができる?
おわりに
よくある保護者の疑問への回答集
Q.1 私の時代は紙での学習だったから、タブレット学習が信頼できるものなのか不安で...
A. 現在GIGAスクール構想によって、全国ほとんどの小中学校でタブレットなどの端末を利用した授業が実施されています。
2019年に、文部科学省が打ち出したGIGAスクール構想。
「Global and Innovation Gateway for All」を略してGIGAで、「全ての生徒がグローバルで革新的に育つための入口」という意味です。
生徒一人一台端末を持ち、学校側は高速かつ大容量のネットワーク設備を整えることで、より一人一人に合った学習ができるように進化しています。
Q.2 確かに子どもも端末を持っているけれど、どのぐらい導入がすすんでいるの?
A. 令和3年7月時点では、全国の公立中学校等で96.5%が端末の利用を開始しています。
文部科学省が調査した結果では、「全学年で利活用を開始」と回答した学校が91.0%、
「一部学年で利活用を開始」と回答した学校が5.5%となっています。
自治体ごとに端末の整備状況を見ても、全自治体等のうち1,742自治体等(96.1%)が整備済みです。
残りの70自治体等が整備未完了ですが、今後整備完了予定となっています。
全国の学校や自治体で導入が進んでおり、タブレット等の端末を利用した学習は
当たり前になりつつあるのです。
Q.3 タブレット学習にするとどんないいことがあるの?
A. 生徒にとっては、より一人一人に最適化された教育を受けられるメリットがあります。
具体的には、先生が生徒の学習データをもとに、生徒の学習状況や理解度に合わせた教材を
用意することができます。
例えば、問題演習中に間違えた問題や時間のかかった問題から、生徒の苦手の傾向を簡単に把握できるようになります。
先生はそれに応じて、生徒に宿題や補修課題を割り振ることができるのです。
他にも、生徒がきちんと宿題に取り組んでいるか、自主学習では何の単元に取り組んだのかなどの学習履歴を確認でき、学習姿勢の改善などにつなげることもできます。
もう一つ、重要な効果があります。
それは、先生の業務負担を減らすこと。
これまでは採点の作業や教材準備、その他様々な事務作業のために忙しかった先生。
しかし、今後はそういった業務が自動化されるので、先生はより生徒とのコミュニケーションなどに
時間を割けるようになるのです。
タブレット学習による、個別最適化された学習。
諸業務の自動化によって生まれる、先生の時間的余裕。
この二つでさらなる成績向上を目指していくことができるのです。
Q.4 実際に学校の授業ではどのようにタブレット学習が取 り入れられているの?
A. 活用場面は多岐にわたります。いくつか例を紹介します。
≪学校での活用例≫
①モニターやプロジェクターを用いて、黒板のように活用!
モニターやプロジェクターに授業内容を投影する、新しい板書方法としての活用です。
画面共有で生徒のタブレットに板書を映したうえで、先生が書き込みなどを行うことができます。
授業の説明を、より分りやすくスムーズに行うことができるのです。
また、画像や動画などの資料の提示も行うことができ、生徒がより関心を持つ授業にすることができます。
②教材配信を、家庭学習で活用!
タブレットを持ち帰らせ、宿題などの家庭学習で活用する方法です。
先生は、生徒ごとの理解度に応じた教材を配信できるため、より宿題の効果を上げられます。
また、取り組み状況や理解度をリアルタイムで取得し、これらのデータをもとに生徒への声掛けや
授業準備を行うことができます。
他にも、授業動画を配信することで、長期休暇中や臨時休校の際にも生徒は場所を問わず一人で学習を進めることができます。
③アプリケーションなどを、協働学習で活用!
コミュニケーションツールを用意して、協働学習で活用する方法です。
全員がタブレットを持つことで、インターネットを使った調査学習が手軽に行えます。
加えて、チャット機能や資料の共有機能を使うことで、学校外で も意見交換や資料作成を
行うことができるのです。
社会に出たとき大事な力になる、「協働力」の向上がよりいっそう期待できます。
今回は3つの例をご紹介しましたが、他にもあらゆる活用場面があります。
義務教育の現場でも、タブレット学習は当たりまえになりつつあるのです。
Q.5 タブレット学習が優れていることはわかったけど、短所についても聞いておきたい
A. 今後の課題として3つご説明します。
導入が始まって間もないため、まだまだ解決しなければならない課題があるのも事実です。
ここでは代表的な3つの課題についてご説明します。
1つ目は、先生がきちんと端末やシステムを理解し、使いこなせる必要があること。
タブレット学習を効果的に行っていくには、この点が不可欠です。
先生の忙しい時間の中で、いかに研修の時間を確保できるかが課題となります。
2つ目は、端末に不具合が生じたときの対応です。
授業中に機器のトラブルが発生した際、スムーズに対応できなければ学習が中断されてしまいます。
・端末等の予備を用意しておくこと
・先生が端末やシステムをよく理解していること
・技術的な専門知識を持った人にすぐ連絡をとれること
これらの対策を取ることが求められます。
3つ目は、セキュリティに関する課題です。
ネットワークに接続するため、先生だけでなく生徒自身のネットワークリテラシーが求められます。
調べ物をする際などには情報流出 やウイルスなどの脅威に十分注意するよう、指導を徹底しなければなりません。
以上のように、タブレット学習には課題も存在します。
しかし、教員のICTスキル不足やセキュリティ面での課題にも、対応しやすい環境が整いつつあります。
例えば、
『学校ICTサポートブック(学事出版 教育あるある探検隊/編著)』や、
『逆引き版 ICT活用授業ハンドブック(東洋間出版社 渡辺光輝 ほか)』など、
ICT教材の活用におけるトラブルや効果的な活用方法について書かれた書籍が充実してきています。
書かれている内容通りに実行するだけで、ICTを活かした授業ができたり、急なトラブルに対応できるのです。
また、システムの面でも環境整備が進んでいます。
例えばSSOという、ユーザー認証システムです。
これまでは学習アプリごとにパスワードを設定する必要があり、パスワード管理の負担や、パスワードの使いまわしによるセキュリティ面でのリスクがありました。
しかしこのシステムを導入することで、一度のユーザー認証によって全てのアプリにログインできる状態になります。
パスワード忘れなどのトラブルを防ぐとともに、不正アクセスなどに対しても高度なセキュリティで生徒のアカウントを守ることができる、優れたツールです。
こちらは現在、文部科学省も導入を推奨しています。
今回ご紹介したものは一例ですが、現在も新しい教育の形の実現に向け、国や企業単位で改善が進んでいるのです。